転職した話

人生で初めて転職した。メイプルストーリーの話ではない。リアルでの話である。

前職の話

前職ではクラウドサービスの保守・運用を行っていた。職場は皆ご存じの大企業(の子会社)だったこともあり、環境としては非常にホワイツであった(というか就職活動の時に企業側が自称してた)。しかし、企業柄いろんな手続きがあったりと仕事以外に覚えることが想像以上に多く、また、仕事自体も先輩方が毎日非常に大変そうだったこともあり、自分の「楽をしたい」マインドが日に日に実現不可能になる未来が見えてしまったのである。そんな矢先に病気になった。

病気になってからはすぐに休職、病院に通いながら療養をし、回復し次第復職した。復職後もクラウドサービスの保守・運用という点では変わらなかったが、内部のチームが変わって仕事ももう少しゆったりできるようなものに変わった。しかもコロナ禍ということで完全にリモートワークになっていたのだ。しかしまぁなんだかんだあって結局再び休みを強いられる状況になった。病気の再発である。このころにはもう休職期間を完全に使い切っており、休職することはできなかった。つまるところもう退職せざるを得なくなったのである。人事とのリモート越しの面談で目の前が真っ白になったのを覚えている。ついでにその時人事の人に「今回仮にまた休職できてそれから復職してもあなたは〇年目社員としてのパフォーマンスでもってうちに貢献できるのかよく考えてほしい」とド正論パンチを食らったのも覚えている。

こうして社会人〇年目にして実績を特に持たない、実質1年未満のスキルもちというモンスターが世に放たれたのである。

転職の話

転職には某転職エージェントに頼ることにした。今どきはウェブ履歴なるものがあり、必要な書類のやり取りなどもエージェント側が仲介してくれて楽だと思ったからだ。エージェントからは「一般的には書類を10社くらい送ると面接に通るのが1、2社」と言われたが、転職活動を始めた当初、自分には謎の自信があったため「じゃあ2社に1社くらいは面接できそうだな」とか思ってた。

その自信は時がたつほどに失われていくことになる。転職活動を始めたのが去年の11月。謎の自信があった自分のプランは「数週間で速攻で決めて年内には働き始める」といったものであった。そんな都合よく決まるわけもなく、あっという間に年が明けたが、まだ金銭的余裕はあったので楽観視していた。まあ1月までには……まぁ2月までには……。

時間がたち、落ちた企業も両手では数えられなくなり、3月に入ったあたりである程度自分を客観視するようになりやっと気付きだす。

「自分ってまぁなかなかのモンスターよな――」

自分がモンスターであることを自覚したモンスターはどういった行動に出たかというと、意外とやることは変わらなかった。「まぁ面接は縁みたいなもんだから」という病院の先生の言葉が理性を保たせてくれたのである。モンスターなれど地道に企業に応募するしかなかったのである。病院の先生は人間だけでなくモンスターの精神の支えにもなっていたのである。

そういった支えもあって、4月についに内定がでることとなる。こんな私にも理解のある企業君が現れたのである。転職活動の終焉である。

現在の話

結果としては50社以上応募して面接は8社。たったの8社のうち内定をもらえたのが1社である。その1社で5月から働かせてもらっている。現在の職場ではプログラミング的なものをやろうとしているようだ(まだよくわかっていない人)。日々あーあれわかんねーこれわかんねーとか思いながらもなんとか生活している。とりあえず、これからはゆったり頑張ることを心がけていきたいと思う。